人間だけではなく、花にも動物にも命が宿っています。誰もが知っていることです。しかし、私はまだ未熟者であり、「命の尊さ」というものを達観できるほどの人間ではありません。また、いくら勉強しても、いくら技術を磨いても、いくら雄弁な言葉を並べてみても、「命の尊さ」を100%語ることもできません。しかし、「どんな命でもかけがえのないもの」ということだけは理解しているつもりです。だからこそ、医療という道を選んだのかもしれません。
私はきれいごとを言うつもりはありませんが、ただ一つ「もっとうまくなって、一人でも多くの患者様を救いたい」という一心で、明けても暮れても勉強し、技術を磨いてきたということだけは自負しております。そして、私だけではなく、世の中には日夜研究に勤しんでおられる医療関係者もたくさんいるはずです。しかし、「人間の体を知る」「人間の体を100%治す」ということは、追っ掛けても追っ掛けても手が届かない、果てしなく遠い永遠のテーマに感じてしまうのも事実です。一歩前進したと思ったら、また新たなハードルと問題が・・・という具合に、ジレンマとの闘いでもあります。それでも、根気よく根気よく、日々研究の毎日が世界中で続けられています。
今、私の一番の願いは、「体が2つほしい」「一日24時間ではなく、48時間ほしい」ということです。こんなこと叶うはずがないのに、真剣に願っている自分がいます。私には東京国分寺に治療しなくてはいけない患者様がたくさんいらっしゃいます。そこが私のホームタウン。しかし、東京から遠く離れたところにも治療してあげたい人がいます。でも、現実的には不可能。「悔しい」を100個並べてもこの悔しさは消えません。おそらく、永遠に残る悔しさになるかもしれません。
私は性格上、理詰めでいくタイプなのでそもそも奇跡というものにはあまり拘りませんが、今までの人生で4回だけ奇跡というものを感じ得た出来事があります。5回目の奇跡を信じたい。私はその人から、「仕事はうまくいきよっとね? 仕事はちゃんとせーにゃんいけんばい」と言われ続けてきました。だから、「今やるべき仕事を全力でやる。明日のために切り替えるよりも、今日という日に全力を尽くそう」と誓いました。誓うというよりも、私にはそうすることしか出来ません。これが今の私に出来る精一杯の恩返しです(スマーツメディカルGr. 総院長)